家を設計する際に、できるだけ広い空間を確保したいというのは、共通としてある考えだと思います。
それは、数字上の広さ(坪数)だけではなく、空間の広がり(3D)という観点も含めてのことです。だからこそ、天井高オプションなども含めて検討が必要となります。
しかしながら現実は、家の強度を確保するために、希望しないところに壁ができたり、柱が建ってしまったりもします。
設計士の方に強度計算をしていただきながら、いかに邪魔な場所の壁を避けて、希望通りの間取りにするか、四苦八苦するところでもあります。
さて、そんな耐力壁や垂れ壁。
パネル工法の家(2✕4や2✕6)では、どんなに工夫してもゼロにはできないので、わが家では、どう妥協して取り入れて言ったかをご紹介します
。
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耐力壁の活用方法
収納スペースにする
わが家には、耐力壁が二箇所出ました。
ひとつは、オープンステアを支えるためのものです。

ここは、設計士さんからの提案どおりに収納スペースにしました。
耐力壁が出来てしまう場合は、その壁を使って収納スペースにする場合が多いようです。
この壁がなかったら、リビングが広々しただろうなと思いますが、リビングに収納があるのは、とても便利です。
収納の中にはコンセントを設置し、掃除機やプリンターを置いています。
でも、この収納がなければ、どれだけの広がりになったのだろうかと、やはり思います。

耐力壁を生活空間の目隠し用に
そして、もうひとつの壁がこちら。緑丸の方です。
リビングドアを開けたところに出現してしまいました。

この壁は、リビングとキッチンを分断させるような感じになり、どうしても避けたかったものです。
もともと広いスペースではないLDKがますます手狭になってしまうのではないかと、設計時からの懸念としてありました。
しかし、住んでみると。
もちろん手狭にはなっています。
でも、リビングから、生活臭が漂う冷蔵庫とパントリーへの視線が、この壁によって遮られています。
リビングとキッチンとを広いひとつの空間にしようと計画していましたが、生活の中では、壁があってもさほど気になることはなく、来客時には、むしろこの壁が視線を遮る良い役割としてくれています。
広いリビングに憧れていましたが、この程度の空間でも、必要十分でした。
・・・。
と、無理やりこじつけてみましたが、やっぱり邪魔です。
部屋の真ん中の耐力壁は無いに越したことはありません。
造り付けへの活用
そして、この壁を、もうひとつ有効活用してみようと思い付きました。
階段下のように収納にすることから発想を飛ばして、あえて、壁をもうひとつ設置。
上記図のところの青丸のところです。
このあえて作った壁で、造り付けの飾り棚を作ろうと計画したのです。
参考にしたのは、もちろん、永遠の憧れ三井ホームのパンフレットです。
本来なら必要のない壁を設置するというのは、本当に冒険でした。
出来上がったのが、こちらです。

上にダウンライトを付けました。
棚は、ガラス板を自分で取り寄せをしました。
設置は、一条工務店側でしてもらいました。(有料)
やはり、三井ホームのようにはなりませんでしたが、失敗ではなかったなと思います。
これぞ、注文住宅の醍醐味・・・とはまでは言いませんが、自分のアイディアを盛り込めたのは良かったです。
垂れ壁
垂れ壁には空間を仕切る作用がある
耐力壁ほどではないものの、やはり、垂れ壁も空間の広がりを妨げる大きな要因になります。
わが家の垂れ壁は、このうように耐力壁に続いて、キッチンとリビングを分断するような形で、できてしまいました。

2階から見下ろすと、このようになります。
30cmほどの垂れ下がりだと思いますが、やはり、視界を遮って、空間を矮小化させています。

キッチンとリビングとの間に出現してしまった垂れ壁。
これを、せめてR施工できないかとお願いしましたが、不可でした。
これが、視線の妨げとなり、空間を区切ってしまっています。
リビングとキッチンをひとつの空間としたかったのですが、別々の空間として認識せざるを得ない結果となっています。

垂れ壁をインテリアとしてなじませるためにアイアンを活用
この垂れ壁は、どうしても気に入りませんでした。
間接照明でなんとか存在を生かせないか、はたまた、引き渡し後リフォームでR施工にしてもらうか、などなど考えました。
しかし、いずれも名案が出なかったために、一番簡単な方法を選びました。
それが、アイアンの設置です。

アイアンのコーナー飾りによって、垂れ壁に丸みを持たせることができました。
視線も、垂れ壁にではなく、アイアンに向くので、垂れ壁が気になりにくくなる効果もありました。
まとめ
避けられない耐力壁や垂れ壁を、なるべく邪魔にならないように工夫をしたつもりです。
視線の妨げになり、空間を遮ってしまうという欠点をカバーするまでには至っていませんが、インテリアとして活用して、注文住宅らしさを、少し出すことには成功したのではないかと思っています。